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JOURNAL
WHO AM I
2026.08.18
IDENTITY
グラフィック、Web、UI/UX、ブライダル。一見バラバラに見える経験が、今の仕事につながっています。Spark Designをつくるまでと、Brand Editorという仕事について。
私とは。
「何のデザイナーですか?」
そう聞かれると、今でも少し答えに困ります。
グラフィックデザイン、パッケージ、Web、コピー、SNS、プロモーション。
結婚式をつくったこともあれば、アプリの企画やUI/UXに関わったこともあります。
ひとつの肩書きに当てはめようとすると、どうもしっくりこない。
だから今は「デザイナー」という言葉だけではなく、Brand Editor と名乗っています。
でも、最初からこんな働き方を目指していたわけではありません。
振り返ってみると、これまでのキャリアは決して一直線ではありませんでした。

18歳、デザインの世界へ。
デザインの仕事を始めたのは18歳。
パッケージを中心に、グラフィックデザインの仕事に携わってきました。
商品をどう見せるか。限られたスペースの中で何を伝えるか。
どんな色なら目に留まり、どんな言葉ならその商品の魅力が伝わるのか。
パッケージは、ただ綺麗なものをつくればいいわけではありません。
たくさんの商品が並ぶ中で見つけてもらい、手に取ってもらう。
そして、その商品の魅力が伝わり、最後には「買う」という行動につながる必要があります。
今思えば、この頃から「どうデザインするか」以上に、
「どうしたら伝わるか」を考えることが好きだったのだと思います。

デザインの、その前を考えるようになった。
30歳、それまでとは少し違う世界に入り、アプリ開発に関わりました。
UI/UXだけでなく、企画や広報など、それまでのグラフィックデザインとは違う領域も経験しました。
サービスそのものを考え、誰が使うのか、どこで迷うのか、どうすれば使ってもらえるのかを考える。
それまで「見せるもの」をつくることに向き合ってきた私にとって、デザインのもっと手前にある部分を考える経験でした。
誰に届けるのか。なぜ必要なのか。何を伝えるのか。
そして、その先でどう感じてほしいのか。
そこが曖昧なままでは、どれだけ綺麗なものをつくっても、どこか芯のないものになってしまう。
この頃から、「デザイン」という言葉の意味が少しずつ広がっていきました。
一方で、デザインの仕事をしながら夜間学校に通い、ブライダルについて学んだ時期もあります。
きっかけは、友人の結婚式に2日続けて参列したことでした。
幸せな時間である一方で、進行や演出、ペーパーアイテムまで、どこか似ている。
「もっと、その人たちらしい結婚式があってもいいんじゃないか。」
そんな小さな違和感から、最初はブライダルのペーパーアイテムについて学び始め、やがてウェディングプランニングまで学ぶようになりました。
資格を取得し、実際に結婚式づくりにも携わりました。
結婚式も、その人たちらしさを見つけ、一つの体験として形にする仕事です。
どんな人たちなのか。何を大切にしているのか。誰に、何を伝えたいのか。
そこからコンセプトを考え、空間や演出、言葉、時間の流れまでつくっていく。
今振り返ると、それはブランドをつくることと、とてもよく似ていました。
対象が商品だったり、サービスだったり、結婚式だったりしただけで、興味を持っていたことは、ずっと同じだったのかもしれません。
その人や、そのものにしかないものを見つけて、形にすること。

暮らす場所が変わると、見えるものも変わった。
その後、生活の拠点をアメリカへ移しました。
日本を離れて暮らしてみると、それまで当たり前だと思っていたものが、少し違って見えるようになりました。
街のつくり方、ホテルやレストランの空間、お店のサイン、商品のパッケージ、Webサイト。
そして、サービスや人との距離感。
「そんなに説明しなくてもいいんだ」と思うこともあれば、「もっと自由でいいんだ」と感じることもありました。
逆に、日本を離れたからこそ、日本の繊細さや丁寧さ、細部まで考えるデザインの良さに気づくこともありました。
特に印象に残ったのは、デザインだけではなく、空間や言葉、サービス、人の振る舞いまで含めて、ひとつのブランドとして感じられること。
ブランドは、ロゴだけでつくられるものではない。
そんな当たり前のことを、生活の中で実感した時間だったと思います。
そして、仕事だけではなく、生活も大きく変わりました。
結婚して、海外で暮らして、出産して、日本に戻って。
仕事だけをしていた頃とは、ものを見る視点も少し変わりました。
だからこそ、以前なら気づかなかったような小さな不便に気づくようになり、逆に、ほんの少し気持ちを軽くしてくれるものの価値も感じるようになりました。
便利なもの。美しいもの。分かりやすいもの。
そして、ちょっと心が動くもの。
デザイナーとしてだけではなく、生活する一人の人間としてものを見るようになったことも、今のデザインに影響していると思います。

バラバラだった経験が、今になってつながった。
パッケージ、グラフィック、UI/UX、企画、広報、ブライダル、海外生活、そして日々の暮らし。
ひとつずつ並べると、あまり統一感のない経歴かもしれません。
以前は、自分でもそう思っていました。
でも今は、その全部があったからこそ、今の仕事の仕方になったのだと思っています。
ロゴだけをつくりたいわけではありません。
Webサイトだけをつくりたいわけでも、パッケージだけをつくりたいわけでもありません。
整理して、必要なものを選び、言葉にして、デザインにして、人に伝わる形へ編集していく。
媒体が変わっても、やっていることは同じです。
仕事の相談をいただいたときも、最初から答えを持っているわけではありません。
むしろ、最初はできるだけ話を聞きたいと思っています。
どうしてこの会社を始めたのか。
この商品をつくったのはなぜなのか。
どんなお客様がいるのか。
今、何に困っているのか。
そして、これからどうなりたいのか。
一見デザインとは関係なさそうな話の中に、そのブランドにとって一番大切なものが隠れていることがあります。
本人にとっては当たり前すぎて、価値だと思っていなかったこと。
ずっとやってきたのに、うまく言葉にできていなかったこと。
いくつもある商品やサービスの中に、実はずっと共通していたもの。
話を聞いているうちに、それを見つけて、
「あ、それじゃないですか?」
となる瞬間があります。
バラバラだったものがつながって、「これならいけるかもしれない」と、その先の景色が少し見える。
その瞬間が、とても好きです。

だから、Brand Editor。
私は間違いなくデザイナーです。
でも、「何をデザインするか」を決める前の仕事も、同じくらい大切にしています。
すでにそこにある魅力を見つける。
余計なものを削り、足りないものを補う。
言葉とビジュアルを整え、ひとつのブランドとして伝わる形にしていく。
それは、ゼロから何かを「つくる」というよりも、
すでにそこにある価値を見つけ、編集するという感覚に近い。
だから、Brand Editor という言葉を使っています。

そして、Spark Design。
まだ何も完成していないのに、
「これならいけるかもしれない」と急にその先が見える瞬間があります。
新しい商品でも、ブランドでも、Webサイトでも。
最初は小さなアイデアだったものが、話して、考えて、形にしていくうちに、「これならいけるかもしれない」に変わっていく。
その瞬間、人の表情が少し変わります。
私は、それをトキメキだと思っています。

トキメキは、未来を動かす最初の火花。
Sparkには、「火花」という意味があります。
大きな炎も、最初はほんの小さな火花から始まる。
ブランドも、きっと同じです。
ひとつのアイデア。ひとつの商品。誰かの想い。
あるいは、ふと感じた小さな違和感。
そんな小さなSparkを見つけて、言葉にして、形にして、誰かに届くものへ育てていく。
デザインは、最後に綺麗に整えるためだけのものではありません。
まだ言葉になっていない想いや、本人も気づいていない魅力を見つけ、
「これかもしれない。」
という最初のSparkをつくる。
それが、今の私の仕事です。
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ブランドの未来は、
最初のトキメキから始まります。